お知らせ

2022.06.13

令和4年度第2回全体研修の報告

6月4日(土)にオンラインで令和4年度総会および第2回全体研修を開催しました。

 

第2回全体研修では横山北斗さん(NPO法人 Social Change Agency 代表理事)をお招きし、「ソーシャルワーカーの社会的役割と可能性について考える ~コロナ禍におけるソーシャルアクションの事例から~」との演題でご講演いただき、その後参加者とのフリーディスカッションをおこないました。

 

横山さんはご自身の療養経験を通じてMSWと出会い、大学卒業後にMSWとして従事されましたが、様々な問題意識や葛藤からNPO法人を設立。現在は相談支援業務だけでなく、クライアントの孤立防止や、適切な社会保障制度に繋がるための仕組み作りに向けてソーシャルアクションを実践されています。講演では日頃の実践を通じて以下の点について触れられ、我々ソーシャルワーカーが果たすべき役割や協会活動のあり方について示唆いただきました。

 

  • 個人の問題を社会化することがソーシャルワーカーの専門性であり、そのプロセスがミクロからメゾ・マクロレベルに支援を引き上げることに繋がる。
  • メゾ・マクロレベルに支援を引き上げるためには、複数の事例から問題点の共通項を抽出していくことが足がかりとなる。また課題や問題への闘争心のみを原動力とするには限界があるため、同じ志を持つ仲間と協調しながら取り組んでいくことが重要。
  • 仲間との協調においては協会が果たすべき役割が大きく、会員相互で日常的に取り組んだ内容を共有できる仕組みが有用であり、職場の規模や風土に関係なくソーシャルアクションを実践できる組織作りが大切。

 

フリーディスカッションでは、鳥取生協病院より無料定額診療が適応になっている方に薬局代助成が適応されるよう行政に働きかけた取り組み。日野病院からは透析患者の無料送迎に向けた取り組みが報告され、当県でもMSWが積極的にソーシャルアクションに取り組んでいることを共有することができました。

 

これまでソーシャルアクションをテーマとした研修は十分におこなってきませんでしたが、改めてソーシャルアクションや、実践に向けた組織作りの重要性について学ぶことができました。また目の前のケースだけでなく、クライエントの抱える社会的困難の要因を明らかにし、その部分に対するアプローチを積極的におこなうことが我々ソーシャルワーカーの使命であることも再認識することができました。